俺たちはカフェを出てすぐの公衆電話へ向かった。
隣りの商店でテレフォンカードを購入し、紙に書いてある電話番号に電話をかけた。
電話の主は男性で、聞きとりやすい英語を話した。
おれ「あの~えっちゃんの友達なんですが、あなたが彼女のパスポートを持っていると聞いて電話したんですけど」
怪訝そうな声だ
男「なんだお前は?えっちゃんに頼まれたのか?」
おれ「そうです。彼女良く英語が分からないので、俺が頼まれました。」
男「そこに彼女はいるのか?」
電話を変わる
えっちゃん「マサさん何言ってるかわかりません」
再び電話をかわる
男「彼女と話したいんだ」
おれ「だから言ったでしょ。えっちゃんは英語がわからないんだって!」
すこし半ギレ。
聞いておかなきゃいけない事がある。
おれ「っていうか何であんたがえっちゃんのポーチ持ってんだよ?」
男「トルコの宿や警察は信用できないからな。連絡を待って、本人に渡す事にしたんだよ」
話の内容から少しずつだが事情が掴めてきた。
この男は、えっちゃんが泊まった、部屋に次の日宿泊。するとポーチが落ちていたので、宿の主人に言ったがどうも胡散臭い。
ポーチの中にはお金もトラベラーズチェックも含まれていたので、このまま宿に預ける事はまかりならんという事になったようだ。
その後、ツーリストポリスにも行ったが、ぞんざいな態度をされた為、ここも危険だという事に。
んで、結局自分の帰国の日が近づいたので、自分の住所を宿に渡して、イタリアに帰ってしまったそうだ。
こいつ、親切なんだか不親切なんだか良くわからん。
そうこうしていると、テレフォンカードの残数が無くなってきた。
おれ「電話切れそうだからまた後で電話するわ」
ガチャン。電話を置いた。
その場で彼女に事情を説明する。
え「そういうことでしたか…」
少しうなだれるえっちゃん。
再び、テレフォンカードを購入し、TRY。
おれ「とりあえず、そのポーチをこちらの指定する宿に送って欲しいんだけど」
男「トルコに?だめだだめだ。彼女はイタリアに来れないのか?」
えっちゃんイタリアに来いって言ってるよ?
大体、金もパスポートも無いのに、どうやって行けと言うのか。
要人深いにもほどがある。イタリア人ってもっといい加減なイメージがあったが。
男が話しだす。
男「ではイタリアのインターポールに送ろう。そこからトルコのインターポールに送ってもらって、そこで貰うというのはどうだ?」
おれ「インターポール!?」
インターポールっていや、あのルパン三世でおなじみの「銭形のとっつあん」がいるあのインターポールか?
っていうか、この案件、そんなおおごとか?
またもや、電話が切れる。
おれ「なんかインターポールに送るって言ってるよ。結構おおごとになってんのか?」
えっちゃん「え、インターポール?どうしよう…」
これはらちが明かない。指定した場所へ送ってもらうのが最善だが、誰かの手助けが必要だ。
おれ「えっちゃん、ツーリストポリスに行こう。んでそこからもう一度話してもらって見みよう」
その足で、旧市街にあるツーリストポリスに向かった。
その場にいた警官に事情を話すと、奥の部屋に通された。
そこにいた偉そうな親父に再度事情を説明。
これがまた熱血漢ってな感じで結構良い仕事をしてくれたのだ。
警官「なんだ!その話は!わかったおれが直接そいつと話してやる!」
息巻いて男に電話する親父。
警官「もしもし!こちらはイスタンブールのツーリストオフィスの○○だが。事情を聴いたが、何故直接郵送できないんだ!」
5~6分の押し問答が続く。男がガンとしてインタポール案を推し進めているようだ。
ただ、この警官も引きさがらない。なかなか頑張る。
警官「ここに送ればいいだろ!それから本人に直接渡すから」
話がまとまらないようだ。
おれが受話器を変わり口を出す。
おれ「オッケー、オッケー。トルコが信用できないのは十分分かったよ。んじゃインターポール経由でも構わないから、こちらの領事館(大使館はアンカラにあるので遠い。)に送るってのはどうだ?」
男「ああ、それなら良いよ。それじゃ、イタリアのインタポールにはそう指示しておく事にしよう。」
インターポールに知り合いでもいるのだろうか。結局は領事館宛に郵送してもらう事になった。
警官に事の旨を伝え、握手をした。
おれ「いやいや偉大な仕事をしてくれたよ。ありがとなおっさん。」
警官「そうか!無事届いて旅が続けられると良いな」
警察署を後にした。
えっちゃん「まささん、ありがとうございます。」
その後えっちゃんは仮のパスポートを取って、無事に旅行を続けたようだ。
以下はえっちゃんから届いたメールだ。
マサさんへ
どうも先日はお世話になりました。今度こそ帰国されたそうで
何よりです。
私の方の例の紛失の事ですが、やっと話が着きました。初めは
イタリア警察からインターポール経由でトルコ警察に届くとい
う話でしたが、現金が入っていたので、現金は普通に輸送出来
ないのでイタリアにある日本大使館から日本の外務省を経由し
てトルコの領事館に届くことになりました。一度日本に帰って
しまうので、えらく時間がかかるみたいです、一ヶ月位・・・
。ちょっと待ってられないので、トルコではなくエジプトに送
ってもらって、その間に中東を旅してエジプトで受取る事にし
ました。チェックだけ再発行しましたし。
なんとか解決して一安心ですが、またアホなことせん様に気を
引き締めていこうと思います。色々御迷惑をおかけして申し訳
ありませんでした。これから頑張ってモクちゃん追いかけます!
ではまた
つまりはまた話が元に戻って、ひと悶着あったらしい内容だ。
実に面倒くさい。その後、また連絡が来る。
マサさんへ
今カイロにいます。例の貴重品は昨日、無事大使館にて受け取
れました。其の件ではお世話になりました。これで安心して旅
を続けられます。ありがとうございました。
これからタイに飛ぶ予定です。なんかモクちゃんも同じ位にイン
ドから飛ぶらしいのでまた会いそうです。カイロでも会ったの
に...行く所似てるなあ
どうやら無事に旅がつづけられているようだ。
この後えっちゃんは、アフリカを縦断して、南アフリカから、東南アジアに飛ぶという、とても女の子一人で行かないようなルートを旅する事になる。
小さくてかわいい外見だが、パワフルに動き回っていたのがとても良い印象だった。
やっほー元気に南下してます。タンザニアに入りました。明
日2泊3日かけて列車でザンビアへ向かいます。
こっちは南半球に入ったのでどんどん夏に向かっています。そ
う思うと、えらいトコまできたなーって感じです。
南アフリカから東南アジアへ飛ぶ予定ですし、私の夏は日本に
帰るまで続きそうです。
英語は勉強中ですが、既に気持ち悪くなってきました。スワヒ
リ語の方が日本人には簡単な気がします。
えっちゃんの旅は続く。